Athleticism in Brain

運動や筋トレ、体重の管理を記録していく。 体が資本!それにつきる。皆さんも一緒に頑張ろう!

【完全無欠バターコーヒー】「最強の食事」の2週間プログラムを実践してみた【食事内容・体重変動詳細】 第2週(8日目から15日目)

第1週(1日目から7日目)のおさらい

シリコンバレー式 自分を変える 最強の食事」という食事改善の本に記載されている 2週間プログラム を実際に試してみるべくスタートを切った。

まずはじめるにあたって、「最強の食事」の中心的存在であるバターコーヒーを飲む環境をそろえるために、グラスフェッドバター、コーヒー、MCTオイル、ブレンダー、クッキングスケールを購入した。基本的に第1週はほぼ自炊で、「最強の食事」指定のメニューに近いものを作って食べた。

第1週を終えた時点で体重が1.8kg減、体脂肪も1.4kg減となり、体脂肪中心に減っていった。集中力の高まりとともに、悩みのタネだった昼食後の眠気がほとんどなくなり、結果として一日の作業効率を上げることができた。

第1週の詳しい様子は以下の記事に書いたとおり。

athleticism-in.hatenablog.jp

第2週(8日目から15日目)

第2週も第1週と同様に8日目から12日目までと14日目は、 完全無欠メニュー という2週間プログラムの基本メニューから選んで食べた。13日目はタンパク質摂取を制限する”完全無欠タンパク質ファスティング”のメニューから選んで食べた。2週間プログラムは14日で終わりだが、結果の体重測定のみ15日目の朝に行った。

第2週の食事内容詳細

この期間の食事は以下のとおりである。

8日目

8日目 時間帯 内容
朝食 7:50 コーヒー+バター11g+MCTオイル小さじ3
昼食 12:00 温野菜(白菜、人参、ごぼう、長ネギ、大根、かぼちゃ)とえのきと豚肉と豆腐の鍋、サーモンのレモンバター焼き
夕食 18:20 温野菜(白菜、人参、ごぼう、長ネギ、大根、かぼちゃ)とえのきと豚肉と豆腐の鍋の雑炊、ぶどう15粒、牛乳2杯
その他 20:30 コーヒー

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1500 kcal ビタミンD 19.6 ug
たんぱく質 77.1 g ビタミンK 217 ug
脂質 73.3 g ビタミンB1 1.81 mg
炭水化物 127.3 g ビタミンB2 1.2 mg
カリウム 2693 mg ビタミンC 79 mg
カルシウム 713 mg 飽和脂肪酸 32.78 g
リン 1192 mg コレステロール 213 g
5.5 mg 食物繊維 10.3 g
ビタミンA 411 ug 塩分 7.2 g

9日目

9日目 時間帯 内容
朝食 7:50 コーヒー+バター10g+MCTオイル小さじ3
昼食 12:40 焼き魚(サーモン)、豆腐1/4丁、納豆、ブロッコリー1/3、キャベツ、 コーヒー+バター12g+MCTオイル小さじ2
夕食 18:00 温野菜(白菜、人参、ごぼう、長ネギ、大根、かぼちゃ)とえのきと豚肉と豆腐の鍋の雑炊、ブロッコリー1/3、ぶどう10粒、牛乳1杯

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1186 kcal ビタミンD 18.6 ug
たんぱく質 62.6 g ビタミンK 646 ug
脂質 57.8 g ビタミンB1 1.13 mg
炭水化物 101.9 g ビタミンB2 1.11 mg
カリウム 2375 mg ビタミンC 126 mg
カルシウム 494 mg 飽和脂肪酸 25.68 g
リン 933 mg コレステロール 160 g
6 mg 食物繊維 14.3 g
ビタミンA 383 ug 塩分 4.7 g

10日目

10日目 時間帯 内容
朝食 7:50 コーヒー+バター10g+MCTオイル小さじ3
昼食 12:30 鯖の塩焼き、大根おろしブロッコリー1/3、納豆、アボカド1/2、かぼちゃのスープ、コーヒー+バター9g+MCTオイル小さじ2
夕食 19:00 温野菜、ほうれん草と卵のバター炒め、豆腐1/4丁、ぶどう10粒、牛乳2杯

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1050 kcal ビタミンD 10.5 ug
たんぱく質 54.6 g ビタミンK 757 ug
脂質 62.9 g ビタミンB1 0.61 mg
炭水化物 66.5 g ビタミンB2 1.69 mg
カリウム 3188 mg ビタミンC 143 mg
カルシウム 717 mg 飽和脂肪酸 25.87 g
リン 984 mg コレステロール 350 g
8 mg 食物繊維 14 g
ビタミンA 999 ug 塩分 4.8 g

11日目

11日目 時間帯 内容
朝食 7:50 コーヒー+バター10g+MCTオイル小さじ3
昼食 12:30 鯖の塩焼き、大根おろし、温野菜、アボカド1/2、納豆
夕食 18:20 温野菜、焼き芋、パプリカと卵のオリーブオイル炒め、牛乳1杯 、ぶどう10粒
その他 11:00 コーヒー(ブラック)
その他 16:00 コーヒー+バター10g
その他 23:00 はちみつ大さじ1+MCTオイル小さじ2

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1061 kcal ビタミンD 9.9 ug
たんぱく質 43.1 g ビタミンK 444 ug
脂質 50.8 g ビタミンB1 0.5 mg
炭水化物 107.6 g ビタミンB2 1.21 mg
カリウム 3083 mg ビタミンC 143 mg
カルシウム 477 mg 飽和脂肪酸 19.86 g
リン 763 mg コレステロール 321 g
5.9 mg 食物繊維 15.5 g
ビタミンA 540 ug 塩分 2.9 g

12日目

12日目 時間帯 内容
朝食 7:50 コーヒー+バター11g+MCTオイル小さじ5
昼食 14:30 サンマの塩焼き、温野菜、ブロッコリー1/3、納豆、ミックスナッツ 、コーヒー+バター8g+MCTオイル小さじ3
夕食 20:00 ラム肉とキャベツのバター炒め、温野菜、ブロッコリー1/3、ミックスナッツ、ぶどう10粒、牛乳2杯
その他 21:00 チョコレート(カカオ86%)
その他 23:00 はちみつ大さじ1+MCTオイル小さじ2

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1767 kcal ビタミンD 14.1 ug
たんぱく質 77.9 g ビタミンK 616 ug
脂質 109.2 g ビタミンB1 0.81 mg
炭水化物 122.2 g ビタミンB2 2.21 mg
カリウム 3322 mg ビタミンC 181 mg
カルシウム 885 mg 飽和脂肪酸 45.28 g
リン 1334 mg コレステロール 234 g
10.9 mg 食物繊維 20.3 g
ビタミンA 710 ug 塩分 3 g

13日目

13日目 時間帯 内容
朝食 7:50 コーヒー+バター11g+MCTオイル小さじ5
昼食 12:50 アップグレード・レタス・サラダ、”クリーミー”アボカド・ドレッシング、焼きニンジンフライ、コーヒー+バター11g+MCTオイル小さじ4
夕食 18:10 焼き芋+バター+塩、アップグレード・レタス・サラダ、”クリーミー”アボカド・ドレッシング、ナッツ、チョコレート

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1107 kcal ビタミンD 1 ug
たんぱく質 15.2 g ビタミンK 52 ug
脂質 66.3 g ビタミンB1 0.45 mg
炭水化物 113.5 g ビタミンB2 0.65 mg
カリウム 2337 mg ビタミンC 62 mg
カルシウム 401 mg 飽和脂肪酸 33.4 g
リン 465 mg コレステロール 137 g
4.8 mg 食物繊維 15.6 g
ビタミンA 634 ug 塩分 5.1 g

14日目

14日目 時間帯 内容
朝食 7:20 コーヒー+バター11g+MCTオイル小さじ5
昼食 12:00 サーモンのバター焼き2匹、納豆、ブロッコリー1/3、ナッツ、チョコレート
夕食 17:50 卵かけご飯、ラム肉のキャベツ炒め、アップグレード・レタス・サラダ、”クリーミー”アボカド・ドレッシング、チョコレート
その他 11:00 コーヒー

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1610 kcal ビタミンD 38 ug
たんぱく質 76.3 g ビタミンK 472 ug
脂質 86.5 g ビタミンB1 0.69 mg
炭水化物 128.2 g ビタミンB2 1.62 mg
カリウム 2549 mg ビタミンC 75 mg
カルシウム 417 mg 飽和脂肪酸 38.47 g
リン 1051 mg コレステロール 430 g
9.5 mg 食物繊維 15 g
ビタミンA 425 ug 塩分 4.8 g

第2週の体重の変化

第2週の体重及び体脂肪の変化は以下のとおりとなった。

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体重は順調に下がっていき、第2週だけで1.6kg減となった。体脂肪は14日目に大きく増加してしまい、最終的に第2週だけだと0.5kg減にとどまった。

第2週の食事について

第2週は随分慣れてきたので、買い物も楽になった。ラム肉を食べるようになったり、少し余裕をかましてナッツやチョコレートを食べたりするようになった。本当は2週間プログラム中はナッツやチョコレートはダメなのだが、後半になるにつれていつも食べてたものも久しぶりに食べたいという気持ちが出てきたので、ストレスを貯めすぎないためにあえて買ってきて食べた。

第2週で最も大きな変化はさきほどの体重、体脂肪グラフからわかるように14日目の大幅な体脂肪の増加である。この要因は、13日目のタンパク質ファスティングの反動であったと考えられる。

「最強の食事」にはタンパク質ファスティングの日は1日15g以下のタンパク質に制限するように書いてある。実際に13日目の栄養価の詳細を見てみると、15.2gなのでぎりぎりオーバーしてはいるものの、目標に近い値にはなっている。しかし、翌日の体重測定の結果、筋肉量が前日より1.7kgも落ちてしまった。(57.7kg -> 56kg)

「最強の食事」には丸一日のタンパク質ファスティングにより、筋肉が減少するならば何食も続けてタンパク質を抜くのはやめるよう書いてある。おそらく自分の体質には丸一日のタンパク質ファスティングは合っていないのだと推測される。

一方で13日目(=タンパク質ファスティング日)の栄養価チャートを見てみると、タンパク質を制限しただけでなく、それ以外の栄養素まで十分にとれていないことがわかる。

他の日も完璧とは言えないが、それでも13日目の栄養不足は顕著なので、タンパク質以外はしっかり取れるようなメニューへと改善することで、今回のような筋肉の急な減少を防ぐことができるかもしれない。

第2週の体の変化や集中力について

第2週の前半は体重、体脂肪とも変化がほとんどなかった。第1週は日々順調に減っていたので、この停滞によってモチベーションが下がってきてしまった。

2,3日我慢して、第2週後半には再び体脂肪が落ち始めたのでなんとか継続できたが、体重や体脂肪くらいしか日々確認できる指標がないので、体重や体脂肪の値が改善しないと急にやっている意味がわからなくなってしまう。次回やるときには、停滞しても(我慢に頼らず)継続できるような仕組みを考えて、試したい。

第2週も、昼のバターコーヒーを抜いたことによるエネルギー切れが原因となって頭痛が発生することがあった。炭水化物や糖質を夕食まで摂らないので、朝食と昼食でエネルギー源である脂肪をきちんと取っていかなくてはいけない。

集中力に関しては第1週よりも順調だったと思う。むしろ第2週は軌道に乗って、つい作業が長時間化してしまうくらいだった。集中できているからと言って、適度の休憩を忘れてはいけない。

「最強の食事」2週間プログラムを実践するための心得

実際にやってみて感じた大事なポイントや2週間プログラムを成功させるコツを挙げてみる。

最初の三日間の空腹に耐える!

食への欲望を掻き立てるような食材(食べるとそれが引き金となってもっと食べたくなる食材)を避けるようなメニューになっているとはいえ、これまでの習慣もあるので最初の三日間はどうしても強い食欲が湧いてくる。このとき感じる空腹は我慢で乗り切らざるを得ない。 空腹時はこの生活に慣れることなんてできないと思うかもしれないが、三日もすれば食べたくてたまらない衝動がおさまるので頑張る。

バターコーヒーを作るためのバター、コーヒー、MCTオイル、ブレンダーは必ず準備する

なんといっても一番の軸となるメニューなので、きちんとそろえたい。逆に言えば朝食はこれだけなのでかなり楽でもある。ブレンダーはなくても栄養素的にはかわらないが、泡立たせることで口当たりがよくなる。毎日飲むものなので、できればバターコーヒーを好きになるのが継続するコツだと思う。いろいろ探したが、結局すべてAmazonで買った。

野菜のローテーション、タンパク質のローテーション、炭水化物のローテーションを組めばメニューが楽になる

2週間のあいだ、ほとんど自炊したが、「最強の食事」に提案されているメニューそのものを作るのは食材集めの点から難しい。ある程度アレンジしたものを作ることになるのだが、毎食ゼロの状態から作るものを考えるのは面倒だし、自炊する時間も長くなってしまって、仕事の時間に影響してしまうのは本末転倒である。

そのための工夫として、野菜については、ブロッコリーとほうれん草を切らさないようにローテーションを組んで交互にどちらかが食卓に並ぶように固定メニューとした。そこにレタスやキャベツなどのサラダやかぼちゃ、にんじんなどの温野菜を追加するようにしたことで随分楽になった。タンパク質、炭水化物についても同様である。 買うものをある程度決めてやれば毎食考えなくても済むので、ぐっと継続しやすくなる。

できるだけ自炊できる環境であることが望ましい

外食で2週間プログラムに適したものを食べるのは難しい。勤めに出ている場合だと、朝食(のバターコーヒー)と夕食はなんとか自炊できても、昼食だけは前もって弁当をつくるなどしないといけない。この面倒臭さが2週間プログラムを試してみるハードルを高くしてしまう。なんとか外食や中食(=買ってきて食べる)で実行できるようなメニューも見つけたいところではある。いまだ解決策にたどり着いていないので、今後の課題。

一人で外食するなら居酒屋は意外と使える(複数人で居酒屋へいくと誘惑に勝てないのでNG)

居酒屋は基本的に単品メニューなので、レストランや定食屋に比べると、「最強の食事」で推奨されているメニューを選びやすい。肉は推奨されているメニューを摂ることがほぼ不可能に近いほど要求が高いので、魚が食べられる海鮮系居酒屋がよい。しかし、酒への誘惑があるため友人と行くのは避けたほうがよい。一杯飲めば、あとは気がついたら余計な(だけどおいしい)油ものにどんどん手を付けている姿がたやすく想像できる。

毎日体重測定し記録する

モチベーションを持続させるためにも、日々の変化を記録することが大切である。レコーディングダイエットと同じ。定番。

間食するものを身の回り(家や職場)におかない

第2週後半にナッツを導入して気がついたが、間食するものがあると誘惑に勝てない。休憩しながら何度も手を伸ばしてしまった。継続するためにはこの2週間だけでいいので、間食するものは封印すべき。

失敗したらまたやり直せばいい

通常の痩せるためのダイエットとは少し違って、食事改善によって集中力を高め、仕事が捗るようにしたいというのが目的なので、どうしても間食したい、お酒が飲みたいと思ったら、今回は失敗と思って中断すればいい。食べたい、飲みたい気持ちが集中力を乱し仕事のペースを落としてしまう原因になるのなら、食べたり飲んだりしてしまったほうがいい。たった2週間なので、また再開して2週間頑張れるかチャレンジすればいいやと思えば、気持ちも楽になり、結果的に継続しやすくなる。

2週間プログラムを終えての感想

最終的にこの2週間で体重は3.4kg減、体脂肪は2.1kg減となった。 ジョギングなどでこれだけ痩せるのはかなり大変(特に体脂肪)なので、結果に大変満足している。

また単なるダイエットだけでなく、2週間プログラムに沿って食事をとるようにしたので、禁酒することもでき、これによりプログラム開始前よりも体調が良くなった効果も大きい。

何を食べ、何を食べないかに意識を集中させる2週間だったので、自然とアルコールを避けることができたのだと思う。2週間プログラムを始める前は週3,4日は当たり前に晩酌していたが、いつの間にか、アルコールを飲んでいい気分になりたいと思うよりも、制限された食材の範囲でどんなおいしい料理を作れるかな、食べられるかなと考えるようになっていた。

悩まされていた昼食後の強い眠気はほとんど消え去ってしまった。 午前、午後ともに集中力があがって仕事に没頭できるようになったので、2週間プログラムでの食事改善の効果は、体重のように数値化できるもの以上に大きかったと思う。

何よりも自分の体を実験台にしつつ、体調をより良くするためにあれこれ考えて食事をとるということ自体が面白かった。

あらためて「最強の食事」2週間プログラムとは何なのかと考えてみると、

  • プチ断食
  • 寝る前に食べない
  • バランスの良い脂肪摂取
  • バターコーヒー
  • 野菜や魚の摂取
  • 低糖質・低炭水化物
  • 自分に合わない食材の特定

の組み合わせではないかと思う。

半分以上は誰もが知っている。 プチ断食寝る前に食べない は健康診断の前日に誰もがやっていることであるが、これが減量には一番効果があったと思う。

バターコーヒー低糖質・低炭水化物 を実践するために必要となる代替エネルギー源であり、なおかつカフェインによる集中力向上の効果を担っている。さらにこの バターコーヒーバランスの良い脂肪摂取 を実現するために、バターをグラスフェッドバターに指定するとともに、MCTオイルも加えてある。

最後のポイントは、 自分に合わない食材の特定 を自分で行えるようにすることである。2週間プログラムは、そのための準備期間、デトックス期間である。

食べたものが原因となって引き起こされる頭痛や眠気、胃もたれなどが起こりにくい食材だけを食べることによって、食べたものに対する自分の体の反応がより感じ取れるようになる。この2週間プログラムを終えると、 自分に合わない食材の特定 ができるようになってくるという仕組みである。

そして、頭痛や眠気、胃もたれなどが起こりにくい食事方法の代表的なものが、 野菜や魚の摂取 なのである。

これらが「最強の食事」2週間プログラムでやっていることである。

今回の体験は非常に面白く、また改善の余地もまだまだ残っているので、期間をあけて再び2週間プログラムに挑戦してみたいと思う。 食事改善の結果として集中力が高まるし、たるんだ体も引き締まってくるので、今後どこまで自分の体を改善していけるのか楽しみである。

athleticism-in.hatenablog.jp

【完全無欠バターコーヒー】「最強の食事」の2週間プログラムを実践してみた【食事内容・体重変動詳細】 第1週(1日目から7日目)

はじめに

バターコーヒーの火付け役のひとつである「最強の食事」で紹介されている2週間プログラムを実際にやってみた。 「最強の食事」2週間プログラムに関するまとめや感想は以下の記事で紹介している。

athleticism-in.hatenablog.jp

今回は実際の食事内容とそれに伴う体重変動、継続していく中でのモチベーション、実際の集中力の変化などを時系列で紹介する。

今回の2週間プログラムを実施するにあたっては、以下を前提としている。

  • 「最強の食事」にかかれている内容を参考にして、できる範囲で実践
  • ほぼ自炊
  • 普段は週3,4日のペースで晩酌しているが、2週間プログラム中は禁酒

「最強の食事」には、2週間プログラム中は本書に掲載されているメニューだけを食べるようにと書いてあるが、食材をそこまで徹底して揃えるのが大変だったので、徐々に近づけていこうという気持ちでこだわりすぎずに気楽にスタートした。

第1週(1日目から7日目)

第1週は1日目から5日目までが完全無欠メニューという2週間プログラム中の基本メニューから選んで食べていくことになっており、真似できる範囲で自炊した。
6日目はタンパク質摂取を制限する”完全無欠タンパク質ファスティング”のメニューから選んで食べた。7日目は再び基本メニューに戻したが、実際は外出していたので自炊ではなく、完全無欠メニューに近いものを買って(もしくは店で注文して)食べた。

第1週の食事内容詳細

この期間の食事は以下のとおりである。

1日目

1日目 時間帯 内容
朝食 8:00 コーヒー+バター小さじ2+MCTオイル小さじ1/2
昼食 12:30 サーモンのバター焼き、野菜の味噌汁
夕食 18:30 トマトとパプリカの卵炒め、キャベツともやしと豚肉の野菜炒め、味噌汁、ぶどう2粒
その他 14:00 コーヒー
その他 16:00 緑茶
その他 19:57 牛乳一口

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 945 kcal ビタミンD 19.8 ug
たんぱく質 49.2 g ビタミンK 359 ug
脂質 66.8 g ビタミンB1 1.03 mg
炭水化物 34.3 g ビタミンB2 0.93 mg
カリウム 2118 mg ビタミンC 94 mg
カルシウム 237 mg 飽和脂肪酸 21.01 g
リン 686 mg コレステロール 541 g
4.8 mg 食物繊維 9.3 g
ビタミンA 825 ug 塩分 7.3 g

2日目

2日目 時間帯 内容
朝食 8:00 コーヒー+バター大さじ1.5+MCTオイル小さじ2/3
昼食 12:30 サーモンのバター焼き、野菜の味噌汁、ほうれん草のおひたし、納豆、コーヒー+バター大さじ1.5+MCTオイル小さじ2/3
夕食 17:30 卵かけご飯、温野菜(白菜、人参、ごぼう、長ネギ、大根、かぼちゃ)とえのきと豚肉の鍋、ブロッコリー(半分)、ぶどう10粒、牛乳一口
その他 10:00 緑茶

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1265 kcal ビタミンD 18.9 ug
たんぱく質 65.1 g ビタミンK 763 ug
脂質 58.3 g ビタミンB1 1.22 mg
炭水化物 117.8 g ビタミンB2 1.1 mg
カリウム 2425 mg ビタミンC 132 mg
カルシウム 304 mg 飽和脂肪酸 24.13 g
リン 861 mg コレステロール 361 g
7.4 mg 食物繊維 17.5 g
ビタミンA 656 ug 塩分 8.5 g

3日目

3日目 時間帯 内容
朝食 7:20 コーヒー+バター大さじ1.5+MCTオイル小さじ2
昼食 12:30 アジの開き1枚、大根おろし(醤油小さじ1/2)、ブロッコリー(半分)、納豆、コーヒー+バター大さじ1.5+MCTオイル小さじ2
夕食 18:20 温野菜(白菜、人参、ごぼう、長ネギ、大根、かぼちゃ)とえのきと豚肉の鍋、完全無欠ハッシュポテト、ぶどう10粒、牛乳2杯

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1556 kcal ビタミンD 5.1 ug
たんぱく質 74.5 g ビタミンK 552 ug
脂質 84.6 g ビタミンB1 1.14 mg
炭水化物 120.7 g ビタミンB2 1.76 mg
カリウム 3424 mg ビタミンC 129 mg
カルシウム 796 mg 飽和脂肪酸 37.12 g
リン 1228 mg コレステロール 644 g
7.4 mg 食物繊維 18.2 g
ビタミンA 601 ug 塩分 8.3 g

4日目

4日目 時間帯 内容
朝食 7:40 コーヒー+バター大さじ1.5+MCTオイル小さじ2
昼食 12:30 アジの開き1枚、大根おろし(醤油小さじ1/2)、ほうれん草(半分)、アボカド(半分)、コーヒー+バター大さじ1.5+MCTオイル小さじ2
夕食 18:00 温野菜(白菜、人参、ごぼう、長ネギ、大根、かぼちゃ)とえのきと豚肉の鍋、トマトとパプリカの卵炒め、ブロッコリー(半分)、卵かけご飯、ぶどう10粒、牛乳2杯

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1492 kcal ビタミンD 5.1 ug
たんぱく質 75.1 g ビタミンK 432 ug
脂質 71.9 g ビタミンB1 1.2 mg
炭水化物 131.9 g ビタミンB2 1.58 mg
カリウム 3006 mg ビタミンC 133 mg
カルシウム 747 mg 飽和脂肪酸 30.44 g
リン 1234 mg コレステロール 622 g
6.2 mg 食物繊維 12.7 g
ビタミンA 825 ug 塩分 8.7 g

5日目

5日目 時間帯 内容
朝食 10:40 コーヒー+バター8g+MCTオイル小さじ2+1/2
昼食 13:30 秋刀魚の塩焼き、大根おろし(醤油小さじ1/2)、ほうれん草(半分)、アボカド(半分)、ブロッコリー(半分)
夕食 18:00 温野菜(白菜、人参、ごぼう、長ネギ、大根、かぼちゃ)とえのきと豚肉と豆腐の鍋、ぶどう10粒、牛乳2杯
その他 22:50 生はちみつ小さじ1+MCTオイル小さじ2/3
その他 22:15 コーヒー(マック)

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1075 kcal ビタミンD 12.8 ug
たんぱく質 59.6 g ビタミンK 270 ug
脂質 58 g ビタミンB1 1.04 mg
炭水化物 78.1 g ビタミンB2 1.16 mg
カリウム 2365 mg ビタミンC 109 mg
カルシウム 666 mg 飽和脂肪酸 23.24 g
リン 969 mg コレステロール 168 g
5.2 mg 食物繊維 10.4 g
ビタミンA 364 ug 塩分 6 g

6日目

6日目 時間帯 内容
朝食 8:10 コーヒー+バター11g+MCTオイル小さじ2+1/3
昼食 12:00 完全無欠サツマイモ・ジンジャー風味スープ
夕食 17:10 完全無欠サツマイモ・ジンジャー風味スープ、ほうれん草・玉ねぎ・なすのオリーブオイル炒め、焼き芋
その他 15:00 コーヒー+バター8g

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 604 kcal ビタミンD 1 ug
たんぱく質 8.8 g ビタミンK 236 ug
脂質 37.2 g ビタミンB1 0.28 mg
炭水化物 61.6 g ビタミンB2 0.3 mg
カリウム 1523 mg ビタミンC 101 mg
カルシウム 217 mg 飽和脂肪酸 14.26 g
リン 242 mg コレステロール 83 g
2.6 mg 食物繊維 11.2 g
ビタミンA 613 ug 塩分 3.5 g

7日目

7日目 時間帯 内容
朝食 5:50 コーヒー+バター11g+MCTオイル小さじ3
昼食 12:30 焼鳥2本、鶏肉のサラダ、緑茶
夕食 19:00 刺し身盛り合わせ、炙りぶりのおろしポン酢、アボカドと長芋のサラダ、焼鳥3本
その他 15:00 カプチーノ、チョコレート
その他 20:00 ロイヤルミルクティ
その他 20:30 ミックスジュース
その他 21:00 いなり寿司3個、ウーロン茶

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1688 kcal ビタミンD 6.2 ug
たんぱく質 74.4 g ビタミンK 171 ug
脂質 85.1 g ビタミンB1 0.57 mg
炭水化物 147.5 g ビタミンB2 1.15 mg
カリウム 2115 mg ビタミンC 59 mg
カルシウム 491 mg 飽和脂肪酸 31.62 g
リン 919 mg コレステロール 382 g
7.8 mg 食物繊維 6.9 g
ビタミンA 335 ug 塩分 5.3 g

第1週の体重の変化

7日目は朝から外出する用があり測定できなかったが、第1週の体重及び体脂肪の変化は以下のとおりとなった。

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5日目に若干体脂肪が増えているものの、基本的に毎日体脂肪が減っていくので朝の体重測定が楽しみだった。
体重は1.8kg減、体脂肪は1.4kg減となった。体重よりも体脂肪が1週間で1.4kgも減ったのは驚いた。また、それにともなって体重計が示す内臓脂肪の数値もどんどん改善していった。

第1週の食事について

「最強の食事」に記載されているような完全無欠メニューをそっくりそのまま真似しようとしても、食材集めがたいへんなので、極力近づけるように以下の点に気をつけた。

  • 毎朝完全無欠バターコーヒーを飲む
  • 野菜を意識して多めに食べる
  • タンパク質摂取のために魚を多めに食べる
  • 炭水化物は夕食のみ
  • 昼食と夕食の間隔を6時間以内とする

2週間プログラムをスタートするにあたって準備した食材は、以下の3つのみ。

どれもAmazonでおすすめのものを購入した。バターは5kgの巨大な塊が冷凍されているので、使う前に解凍しておき、使う分だけ切り出すという作業が必要なので要注意!

道具についてはブレンダーとキッチンスケールを購入した。

  • 日立 パーソナルブレンダー ブラウン HX-C1000 T
  • タニタ デジタルクッキングスケール 1kg ホワイト KD-187-WH

ブレンダーとは、おしゃれなOLさんとかがスムージーとかを作るために使う、ミキサーの小さいやつである。キッチンスケールは食材(特にバター)の量を測りたかったので購入した。

食材について振り返ってみると、スタートした時点で豚肉を買ったばかりだったり、もらいもののぶどうがたくさんあったりしたこともあって、タンパク質、果物ともに2週間プログラムで食べるにはあまりおすすめされていないものを食べてしまっていた。

2週間プログラム開始前は毎朝朝食を食べる生活(ほぼ毎朝卵かけご飯)だったが、バターコーヒーだけに切り替えても、午前中は空腹感が辛いということはなかった。3日目くらいまでは、どちらかというと夕方あたりの空腹感のほうが辛く、昼食と夕食を6時間以内に取ろうと気をつけるよりも、夕食が待ち遠しくて早く食べたいという気持ちのほうが強かったので、この6時間ルールを守ることはかんたんだった。

間食してしまうと台無しになるので、部屋には間食できるものを全く置かず、口が寂しかったり、空腹を感じたりしたときは水か緑茶を飲むようにした。ただ3日目を過ぎたあたりから、次第に強い食欲は治まってきて特に気にならなくなった。

6日目のタンパク質ファスティングの日の昼食は「最強の食事」どおりのメニューを作った。この日のたんぱく質摂取量は8.8gであり、15g以下であればOKなので、きちんと基準値を守ることができた。

7日目は朝から外出したため、2週間プログラムをスタートしてから初めて昼食と夕食は外で食べることになった。昼食はデパ地下のようなところで個別に選んで購入し、夕食は居酒屋で個別に必要なものを選んで注文した。

基本的に食べていいものが限られているので、かえって自炊は楽だった。炭水化物も夕食にしか食べることができないので、ご飯を炊く回数も減った。

昼食と夕食は決められた範囲内の食材ならしっかり量を食べてもいいので、それになれると空腹感は苦痛ではなかった。2週間プログラムのメニューは食欲を掻き立てるような食材を使わないようになっているので、次第に食欲を我慢するという状態がなくなっていった。

第1週の体の変化や集中力について

体重が1.8kg減、体脂肪も1.4kg減となり、体脂肪中心に減っていった。普段の不摂生や食べ過ぎがなくなったので、一時的に減ったものと思われるが、体脂肪が日を追って減っていくのは爽快な気分だった。

体の変化に関して、「最強の食事」には”炎症”という言葉が頻繁に出てくる。軽いアレルギー反応のようなものを指して使っているようで、食べ物によって引き起こされる”炎症”の症状が異なる。

「最強の食事」で紹介されている2週間プログラムの完全無欠メニューには”炎症”が発生し得る食材が使われていないのだが、今回はアドリブの完全無欠っぽいメニューだったので、第1週の間にどういった”炎症”が起こるのか気にしていた。

まず明らかに”炎症”だと思われる症状が2日目に発生した。朝食後2時間ほど経ってから、どうも頭がボーっとする。これは昼食後も続き、次第にひどくなったので集中して仕事するどころじゃなくなり、中断して休憩した。

今までも同様に集中できないことはあったが、原因がわからずじまいだった。今回は朝コーヒー1杯なのでなんとなく口が寂しくなり、それを紛らわせるために飲んだ”入れて二日目の緑茶”が原因だったと思われる。

放っておけば治るものなので普段は気が付かなかったが、食べるものを記録して、そこに原因があるかもしれないと考えると、こうやって絞れることもあるようだ。

次に感じた体の変化は、エネルギー切れと思われるような頭痛である。朝食では必ずバターとMCTオイルをまぜたコーヒーを飲んでいたが、昼食後はバターコーヒーを飲まない日もあった。昼食でバターコーヒーを抜いた日に必ずと行っていいほどこの頭痛が発生した。2週間プログラム中は脂肪をエネルギー源とするため、炭水化物や糖質を夕食にしか摂らないのだが、バターコーヒーを昼食に飲まないことで脂肪も不足してしまっていたことが原因だろう。

また、第1週は慣れないコーヒー生活の影響か、寝付きは悪くないものの、長時間寝られないという症状もあった。かなり早めに目が覚めてしまう。対策として、寝る前に生はちみつを舐めるようにしたが、そもそも寝付きに効果があるものらしいので、改善に効いたかどうかはわからなかった。睡眠不足は次第にカフェインになれたのか、改善していった。

ほかにも、やや便秘気味になるという変化もあった。もっと積極的に水分をとるべきだったのかもしれない。

集中力に関して言うと、初日、二日目は食事のサイクルに慣れる段階であり、あまり集中力が高まったという感じはなかったが、3日目以降から気がつけば集中力が長時間持続するようになっていた。 通常時は1時間か1時間半もすれば自然に集中が切れて休憩していたものが、2時間以上継続できるというくらいの変化。もちろん個人差も大きいし、何の作業をするかといった他の要因も大きいのだが、これは確かに効果があったと思う。

また、個人的に悩みの種だった昼食後の強い眠気については大きく改善した。眠気で集中できない、眠気に勝てずに仮眠をとるということがぱたっとなくなった。おそらく朝と昼のコーヒーのカフェインによる効果と炭水化物を夕食にしか摂らない事による効果だと考えられる。

結果的に午後の作業効率が大きく上がったのは、2週間プログラムを実施したことによるうれしい収穫だった。

第1週の感想

「最強の食事」を読むことで食に対する興味が高まっていたが、2週間プログラムを実践するためにスーパーのなかをぐるぐると巡りながら「完全無欠ダイエットロードマップ」に載っている食品を探して歩くのが楽しかった。「完全無欠ダイエットロードマップ」とは「最強の食事」が指定する避けるべき食品や積極的に摂るべき食品のリストである。

また食べられるものに制限がついているので食に気を使わなければならないのだが、逆にその制約条件があるためにかえって、昼は何を食べようかな、夜は何を食べようかなと考えるようになり、食べるのが楽しみになった。

2週間プログラムにより、マンネリ化していた自炊にも新しい風が吹いた。新しい料理と作るのはやっぱり楽しい。特にブレンダーを導入したことで新たな道がひらけた。バターコーヒーはブレンダーで混ぜて泡立てるのと、単にスプーンなどで混ぜて溶かすのとでは明らかに味が違うので、ブレンダーを使うことをおすすめする。安いものは2000円程度で買える。ブレンダーを使ってはじめてドレッシングをつくったが、いつもの適当な男料理とは違う領域に踏み込んだ気がしてワクワクした。

これまで単なる食事制限によるダイエットをやったことがなかったので、食事を変えることで体に変化が起こり体脂肪も減っていくことは新鮮な驚きの連続であり、食事改善という名のバイオハックをやることの楽しさを知ることができた。

2週目に続く!

athleticism-in.hatenablog.jp

【完全無欠バターコーヒー】「最強の食事」の2週間プログラムを実践してみた【エンジニアも注目】

はじめに

常日頃から漠然と「エンジニアが一流スポーツ選手のように健康管理・栄養管理して、仕事で最大限のパフォーマンスを出す」という理想を叶えられないかと考えていた。
そんなときに「シリコンバレー式 自分を変える 最強の食事」という本に出会った。

IQを20ポイント上げ、集中力を激増させた驚異の食事!
毎日0.5キロ痩せて、パフォーマンスが最大化する!

この謳い文句と「最強の食事」というタイトルに胡散臭さは否めなかったが、読み進めてみると、まさに自分の理想のとおり食事改善で仕事のパフォーマンスを上げることを目指した方法が書いてあった。

今回この「最強の食事」のなかで紹介されている2週間プログラムを実践してみたので、結果も含めてまとめる。

「最強の食事」とは?

端的に言うと、健康維持、集中力の向上、肥満の改善を目指す食事改善方法である。

バターコーヒーによるダイエット効果が注目されがちであるが、著者の主張は、 食品が人体へ与える影響を理解し、自分にあった食事を摂って健康と生活の改善を目指してバイオハックしよう というものである。

ちょっと堅苦しい言い回しになってしまったが、要は、 自分に合った食品が何なのか?自分に合わない食品は何なのか?をしっかり把握して、仕事や勉強に取り組む際の集中力を高めるとともに、肥満も改善できる食事に変えていこう というのが「最強の食事」の狙いである。(と解釈している)

「最強の食事」実践のためのポイント

「最強の食事」の2週間プログラムをやって感じた「最強の食事」実践のためのポイントをかんたんにまとめると以下のようになる。

  • プチ断食
  • バターコーヒー
  • バランスの良い脂肪摂取
  • 低糖質・低炭水化物
  • 自分に合わない食材の特定
  • 野菜や魚の摂取

半分以上聞いたことがある内容であり、新鮮味がないようにも思えるが、これらの組み合わせが大きな効果を生んでいた。

その仕組みについて説明する。

プチ断食

プチ断食は、夕食から翌日の昼食まで最低15時間は食事ができないというものである。
「完全無欠断続的ファスティング」と命名されており、”断続的”の示すとおり、朝食として バターコーヒーを飲むことが許されている。(むしろ必須)
このプチ断食が減量には一番効果があったと思う。
健康診断の前日だけなら誰もがやっていることではあるが、これを2週間プログラムのあいだは毎日続ける。

バターコーヒー/低糖質・低炭水化物/バランスの良い脂肪摂取

バターコーヒーは、 低糖質・低炭水化物を実践するために必要となる代替エネルギー源であり、なおかつカフェインによる集中力向上の効果を担っている。 
さらにこのバターコーヒーバランスの良い脂肪摂取を実現するために、バターをグラスフェッドバターに指定するとともに、MCTオイルも加えてある。
このように摂取する脂肪の種類を指定していることが大きな特徴である。
サラダ油やマーガリンではダメなのだ。

自分に合わない食材の特定/野菜や魚の摂取

最後のポイントは、 自分に合わない食材の特定を自分で行えるようにすることである。
これが著者の言ういわゆるバイオハックである。
2週間プログラムは、そのための準備期間、デトックス期間でもある。

2週間プログラムの期間中は、食べたものが原因となって引き起こされる頭痛や眠気、胃もたれなどが起こりにくい食品だけを食べる。
それによって、食べたものが自分の体に引き起こす反応をより敏感に感じ取れるようになる。

この2週間プログラムを終えると、 自分に合わない食材の特定ができるようになってくるという仕組みである。

そして、頭痛や眠気、胃もたれなどが起こりにくい食事方法の代表的なものが、 野菜や魚の摂取なのである。
野菜や魚は2週間プログラムでもメニューの中心として、しっかり食べることが理想となる。

改めて確認するまでもないというような当たり前のことも多いが、就職して仕事をするようになってから徐々にできなくなってしまったことも結構ある。

「最強の食事」2週間プログラムでは、これらのことを徹底して実践してみた。

実践した環境・条件

「最強の食事」を読んだ方ならわかると思うが、書いてある通りに実践するのは非常に難しい。

完璧ではないにしても2週間継続して実践できたのは、

  • 職場が自宅で、ほぼ毎食自炊できた

ということに尽きる。

なぜなら外食や中食(=買ってきて食べる)で実践しようとしても、「最強の食事」で食べてよいとされている食品、食材が極端に少ないため、まともに食事できないからである。

ちなみに実践にあたってもっとも厳しい制約は、 小麦を食べてはいけない という条件である。
「小麦を食べてはいけない」なんて「(2週間プログラムを)やるな、あきらめろ」と言っているようなものだが、自炊だけに絞れば、そして2週間だけ限定だからと思えばなんとかなった。

また、2週間プログラムはメニューがすべて決められていて、朝食、昼食、夕食をすべてメニューリストにある料理から選んで食べることになっている。

しかし、そもそもアメリカ在住の著者が作ったメニューのため、食材の入手が難しいものが多く、そっくりそのまま真似することができない。

そこで、 ある程度はアドリブを利かせて、代替メニューで実践することにした。

結果

前置きが長くなってしまったが、結果を紹介する。

2週間プログラムの実践による体重および体脂肪の変化

2週間プログラムでの体重および体脂肪の変化は以下のグラフのようになった。
(7日目は終日外出していたので測定できず。15日目はプログラムは終わっているので朝の測定のみ実施。)

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この2週間で体重は3.4kg減、体脂肪は2.1kg減となった。
ジョギングや水泳など、運動でこれだけ痩せるのはかなり大変(特に体脂肪)なので、結果に大変満足している。

14日目に体脂肪がぐんと跳ね上がっている。
これは13日目に行ったタンパク質の摂取量を極端に減らす”タンパク質ファスティング”の反動だと思われる。個人的にはあまり極端にタンパク質を減らしすぎないほうが良かったのかもしれない。

2週間プログラムで実践した食事について

例として、少しこなれてきた10日目の食事を以下に示す。

10日目 時間帯 内容
朝食 7:50 コーヒー+バター10g+MCTオイル小さじ3
昼食 12:30 鯖の塩焼き、大根おろしブロッコリー1/3、納豆、アボカド1/2、かぼちゃのスープ、コーヒー+バター9g+MCTオイル小さじ2
夕食 19:00 温野菜、ほうれん草と卵のバター炒め、豆腐1/4丁、ぶどう10粒、牛乳2杯

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栄養価詳細

項目 数値データ 項目 数値データ
エネルギー 1050 kcal ビタミンD 10.5 ug
たんぱく質 54.6 g ビタミンK 757 ug
脂質 62.9 g ビタミンB1 0.61 mg
炭水化物 66.5 g ビタミンB2 1.69 mg
カリウム 3188 mg ビタミンC 143 mg
カルシウム 717 mg 飽和脂肪酸 25.87 g
リン 984 mg コレステロール 350 g
8 mg 食物繊維 14 g
ビタミンA 999 ug 塩分 4.8 g

ちなみに栄養バランスのチャートと各栄養価の数値を出すために、”そらまめ”という食事記録アプリを使った。
料理や食材のリストから選ぶだけでチャートや栄養価の表が出てくるので便利である。

データを見てみると、ビタミンB1と食物繊維は不足気味だが、それ以外はほぼバランス良く摂れている。
2週間プログラムのメニューでなくても、通常の食事でバランス良く摂ることは結構難しいので、上出来と言えるだろう。

また「最強の食事」で強く主張されている脂肪については、飽和脂肪酸が突き抜けてしまっている。
これが従来の栄養学的な観点でのバランスのよい食事と大きく異なっているということだろう。
この数値の要因は朝、昼、晩と摂っているバターである。

2週間プログラムの集中力アップへの効果について

通常時は1時間か1時間半もすれば自然に集中が切れて休憩していたが、2週間プログラム期間中は2時間以上継続できるようになった。3時間ぶっとおしで作業に没頭していたということもしばしばあった。

もちろん個人差も大きいし、何の作業をするかといった他の要因も大きいのだが、その点を加味しても確かに効果があったと思う。

また、個人的に悩みの種だった 昼食後の強い眠気については大きく改善した。
眠気で集中できなかったり、眠気に勝てずに仮眠をとったりすることがぱたっとなくなった。
おそらく朝、昼のコーヒーのカフェインによる効果と、夕食にしか炭水化物を摂らないことによる効果だと考えられる。

結果的に午後の作業効率が大きく上がったので、 2週間プログラムは「エンジニアが一流スポーツ選手のように健康管理・栄養管理して、仕事で最大限のパフォーマンスを出す」という理想に近づく手段として有効だと実感している。

2週間プログラムの体調の変化について

2週間プログラム中は禁酒していたので、二日酔いもなく体調も随分良かった。
「最強の食事」の食事に関するルールを守ろうとすると、酒を飲んでいる場合ではないという気持ちが芽生える。
このため、普段は週3,4日のペースで晩酌していたが、2週間プログラム中の禁酒はとくに辛くなかった。

酒の話ついでに言うと、「最強の食事」の著者がやっているサイトから色々とデータのダウンロードができる。

The Bulletproof Diet Roadmap Free Download
https://blog.bulletproof.com/the-complete-illustrated-one-page-bulletproof-diet/

このなかに酒についての資料も含まれているので、酒自体が全くダメというわけではないようである。

また、体調の変化に関して、「最強の食事」の言うところの”炎症”も経験した。 
はじめたばかりのころに空腹感をまぎらわせるため水出しの緑茶を飲んでいたのだが、翌日もその緑茶を飲んだところ、明らかに頭がぼーっとして全然集中できなくなった。
それからは緑茶も時間が経ったら捨てるようにしている。(当たり前?)
「最強の食事」にならえば、これも立派なバイオハックといえるだろう。

このように食べた(または飲んだ)ものが体に影響を及ぼしていることを観察し、原因を特定することができたのも、今回の2週間プログラムの収穫であった。

2週間プログラムを実践してみた感想

体重・体脂肪のグラフを見ればわかるとおり、ほとんど毎日のように順調に減っていったので楽しく続けることができた。

食事についてはかなりアドリブのメニューになってしまったが、普段全く食べないアボカドに挑戦したり、意識して魚を食べる頻度を多くしたりと食事のことを真面目に考える時間が増えて、食への興味が高まった。
実質1日2食なので、数少ないチャンスにおいしくて栄養があり自分の体にあったものを食べたいという気持ちも強くなり、スーパーでの食材選びや自炊が楽しくなったのも、2週間プログラムによる良い副産物だと思う。

減量や食事がモチベーションを保ってくれる役目を果たしていたが、それによって集中力が高まって仕事の効率が上がり、生産性が高まったことも大きな成果である。

2週間が過ぎても、無理に終わらせる理由はないと思うほど、ストレスはなかった。
1ヶ月のうち半分は節制する、というくらいの気持ちで毎月やってもよいと思っている。

具体的に揃えたもの(食材、器具)や食事内容などは、また別の記事で紹介するつもりである。

5/6月 運動記録まとめ

5月、6月は主に朝のジョギングを中心に運動した。

ただ残念ながら体重はほとんど変わらなかった。
「ランニングを始める前に読む本」のスロージョギングを参考にしてやってきたが、1日30分程度のジョギングには効果が出にくいのかもしれない。
もっと長時間走るのならば効果的に脂肪をエネルギーに変えるスロージョギングの強みが活かせるのだろうが、もともと朝一のジョギングは仕事前に頭をシャキッと目覚めさせることが目的だったので、30分が限度であり、スロージョギングを取り入れる場としてはミスマッチだった。

日付 時間 距離(km)
5/1 30:08 3.92
5/9 27:14 3.66
5/11 32:55 4.52
5/14 16:06 2.12
5/15 25:48 3.60
5/18 22:45 3.05
5/19 30:31 3.92
5/22 30:16 3.75
5/22 32:37 4.41
5/23 23:31 3.22
5/24 32:39 5.00
5/27 24:29 3.27
5/29 21:51 3.15
5/30 28:38 3.93
5/31 29:53 4.39
6/5 29:36 3.93
6/7 4.54 30:54
6/9 32:21 4.53
6/11 3:09 0.30
6/13 31:00 4.40
6/22 17:11 2.39
6/28 15:27 2.23
6/29 14:44 2.05

6月は上旬に足首を痛めたこともあり、その後のジョギングが一気に減ってしまった。 今はジョギングを再開しつつ、筋トレを追加したので、もう少し減量できると期待している。

運動しながら食事制限なく減量したいのだが、如何せん暑くなってきて晩酌なしではやってられないのが一番のネックである。
ビール以外で夏の暑い夜を吹き飛ばすようなものを見つけないといけない。

筑波山登山と減量開始

GWの締めくくりに筑波山に登ってきた。
ようやく今シーズン初の山行である。

市営駐車場(500円/日)に車を停めて、筑波山神社→御幸ヶ原コース→男体山→女体山→白雲橋コースから再び筑波山神社に戻るルート。
http://www.mt-tsukuba.com/?page_id=136

10時に出発してほとんど休憩らしい休憩もせず11時にはロープウェイの筑波山頂駅のある御幸ヶ原に到着した。
長袖のシャツに長ズボンといういでたちだったが、暑くて汗だくになった。
もう登山中は夏と同じ格好でもよかったかな。

御幸ヶ原はロープウェイで登ってきた体力十分な人たちで溢れかえっており、賑やかだった。
昼食をとるには早かったので、すぐに男体山へ登り、お参りだけしてそのまま女体山へ直行した。

女体山の方が眺めがよく、田植えの時期を迎えて水をはった田園風景が綺麗だった。
ロープウェイでさっと上がってきて、この景色を見るというのもいいなと思う。

ただそのくらいお手軽な山だからか、登山をあまり感じさせないせいか、登っている最中にすれ違っても挨拶が返ってこないことが多く、ちょっと寂しかった。

結局山頂では昼食休憩も取らず、女体山からすぐに下山ルートに入って、13時には筑波山神社に帰ってきた。
がっつり運動するつもりで行ったのに拍子抜け。
まあ比較的低山であることは最初からわかっていたけども。

先月の100キロウォーク以降、なんとなくジョギングは続けていたものの、GWでしっかりたるんだ生活をしてしまったので、また体を引き締めていきたい。
まだまだ夢のまた夢という感じだが、マラソンにも挑戦してみたいので、減量は必須である。

「ランニングする前に読む本」によると、山登りは7.5メッツ(METs)とのことなので、3時間をかけて、今回の運動量は22.5メッツ・時となった。

内臓脂肪の減少を期待するには、少なくとも週10メッツ・時、できれば30メッツ・時の運動が必要ということなので、あっけなかったという印象に比べると意外と運動にはなっていたようだ。

さらに現在の体重が76.45kgなので、(メッツ強度ー1)× 体重 × 時間という式で今回の消費カロリーを計算してみると、約1,490kcalとなる。
体脂肪1kgを減らすためには、7200kcalの消費が必要なので、積み重ねていかないとちょっとやそっとでは減量できないな。

今月中にもう一回山行くとするかな。一回でかなりのカロリーを消費できることには変わりないから。

まったく新しいゴルフ理論

ようやく100キロウォークの筋肉痛や膝の痛みがおさまってきた。

 

先週は足がすぐに痛くなるので出かけることができなかったが、100キロウォークの興奮だけは残っていて、何か体を動かしたい衝動に駆られていたので、ずいぶん前に買って積読状態になっていた「まったく新しいゴルフ理論」という本を読んでいた。

 

ゴルフ自体は学生時代に体育の授業で少しだけやったことがあるのだが、適当にスイングしているだけでは上達しないなという実感があり、体のどこを固定したらいいのか、スイング中にどこに力を入れるべきなのかを知りたいなと思っていた。

 

やみくもに練習したりラウンドしたりする前に基本的なことを叩き込んでおきたいなと思っていた頃に手に取ったわけだが、そもそもゴルフをやる予定がなかったのでほったらかしになっていた。

 

他のゴルフ指導書は読んだことがないので比較はできないのだが、少なくとも理系の自分にとってはメカニズムを細かく分けて解説してくれている本書は、感覚的な表現が極力少なくなっており、分かりやすかった。
(とはいえ、日本語の表現が下手だなと感じる箇所も多数あったが。。。)

 

本書で提唱するコンバインドプレーン理論の目標は、「よく飛んで」「曲がらず」「何度でも」打てるスイングを習得するというものであり、シンプルなコンセプトで分かりやすい。

 

具体的なコンバインドプレーン理論の内容は、
・3つの平面(コンバインドプレーン)上をクラブが動くようにイメージしてスイングする
・スイング中の一連の動作(バックスイング、ダウンスイング、フォロースルー)を分割し各動作に関して何をすべきか(体のどこをどう動かすべきか)を明示する
というものである。

 

コンバインドプレーンという新しい言葉を使っているのでとっつきにくいが、右利きのプレーヤーの場合、自分の体の右側(バックスイングからダウンスイングの途中まで)が一つ目の平面、自分の体の正面(ボールをうつ前後)が2つ目の平面、自分の体の左側(フォロースルー)が3つ目の平面となっており、この3つの平面(プレーン)を組み合わせた(コンバインド)平面上でクラブを動かすようにイメージしようというものである。

 

この理論の良い点は、特に意識せずに感覚的にやっている動作について、一つ一つ分割して動作のメカニズムを明らかにすることで、ミスが起こった時にどこでどんな動作をしてしまったためにミスショットになったかの原因を特定できるようになる。

 

また細かくどんな動作をすべきかを定義することで再現性が高くなる。つまり決まったことをやれば良いので同じスイングを繰り返し行うことができるようになる。

その結果、ミスも最小限にできるはずということである。

 

練習方法も提示されており、
・8−4スイング(時計の針の8時から4時までの位置の間で動かす小さなスイング)
・9−3スイング(さらに9時から3時まで動かす範囲を広げる)
・L字スイング(9−3スイングに加えて手首の力でクラブシャフトを垂直に持ち上げるコック動作まで行う)
・コの字スイング(L字スイングに加えて上腕を使ってクラブを持ち上げるリフトアップ動作まで行う)
・フィニッシュフォーム
の5つの方法で体の回転の仕方と腕の動かし方を解説してくれている。

 

ゴルフは止まっているボールに勢いのついたクラブヘッドをぶつけて飛ばすという観点で言うと、簡単な力学の問題が適用できるスポーツである。

それを経験豊富で優秀なスポーツ選手特有の感性にもとづいた主観的な言葉ではなく、論文として成立させなければいけないような初見の人が読んでもわかる客観的な表現で書いてくれていることはありがたい。

なんだか自分も綺麗なショットが打てるようになりそうな気がして勇気が湧いてきた。

 

暇つぶしに打ちっ放しに行くにも、こういった練習方法やスイング理論を頭に入れておくと、より楽しめそうだ。
暖かくなってきたし、打ちっ放しでも行ってこようかな。

 

しおや100キロウォーク〜地獄の100kmへの道 本番〜

本番当日は少し早く目が覚めた。
ゆっくりと準備をして車で会場入り。予定より早く着いた。

 

駐車場には集合時間まで2時間近くあるというのにすでに多くの参加者が集まっており、ゼッケンをつけたり談笑したりしながらスタートを待っていた。

 

天候は曇り。暑くもなく寒くもなく、コンディションは上々だった。

 

受付に行くと、ゼッケン、コースマップ、バーコード付きのタイムカードなどが記念品とともに渡された。
この時にヘッドライトを持っているかどうかも聞かれた。

 

一人で参加したため、そのままスタート会場にいても間が持たないと思い、一旦車に戻って時間が来るまで仮眠をとった。

 

スタート会場に戻るとすでに多くの参加者が集まっていた。
開会式は非常に簡潔に執り行われた。
主催者は構想から5年越しの夢をついに実現させたとのこと。

 

5年前というと震災から一年が経った頃。
栃木県北も震災の被災地ではあったが、福島などからの被災者の方々を受け入れて1年が過ぎ、ようやく被災者の方々の次の行き先が決まって、受け入れ施設であった市営の温泉などが震災前の状態を取り戻しつつあった。

地元のために何かやりたいという思いを風化させずに実現させた信念には恐れ入るばかりだ。

 

ゼッケン番号順に50人区切りずつで並んで、合図とともにスタートした。
グランド内のトラックを回るあいだ、ドローンが参加者を撮影していた。

 

スタートしてからしばらくはぞろぞろと長い行列を作って300名を超える参加者がゆっくりと進んでいった。
一緒に参加した仲間たちとおしゃべりしながら歩いてゆく様からは初詣のようなめでたい雰囲気も感じられた。

 

コンディションが良かったことと、お祭り的な高揚感に包まれていたこととが手伝って、前半はハイペースでぐんぐんと進んでいった。
田舎の風景自体は見慣れているが、それでも自然に囲まれたいつもと違う道を歩くのは気持ちが良かった。

 

山の中を登って行くと東古屋湖という湖に着いた。
小舟に乗って釣りを楽しむ人たちで賑わっており、波のない静かな湖と断崖のような切り立った山の対比が水墨画の世界を思い起こさせてくれた。こんな場所が塩谷町にあったことを初めて知った。

 

釣り人たちまでもが絵の一部になるような綺麗な風景を眺めながら、最初のエイドステーションで甘酒をもらった。まだ始まったばかりだが、山道を登ってきた体に温かい甘酒がしみた。

 

休憩もそこそこに、気合を入れ直してぐんぐん進んでいく。かなりのハイペースだが、気持ちが乗っていた。

 

次のエイドステーションはアイスまんじゅうと書いてあったので、大して暑くもないからパスしようかなと思っていたが、実際は凍らせた小ぶりの饅頭であり、意外とサイズ、温度がちょうどよくて美味しかった。

 

この辺りまでは途中で抜いた人たちもエイドステーションで休憩しているとすぐに追いついてくるといった具合で、皆がほとんど同じようなペースで進んでいたように思う。


そのあともアップダウンが続き、徐々にスタミナが奪われていった。
ただ、せっかくいいペースで来たのだからという欲が勝ってしまい、27km付近のトイレ休憩まで一気に歩き続けた。

 

すでに前哨戦の20kmを超えていたが、足の裏や腰回りの痛みも特になく、それほど熱を持っている感じもしなかったので、あとは気持ちの問題だなと思っていた。

 

そして最初のチェックポイントである上平ポケットパーク(36.8km)に到着した。
ここでタイムカードのバーコードを読み取ってもらった。
3分の1が過ぎ、大きな休憩ポイントでもあるはずなのに、意外と人は少なかった。

 

入念にストレッチをし、足裏の痛み対策としてインソールを交換した。
靴を脱いで足を伸ばして地面に座っているだけで心地よかった。
すでに陽は落ちていたが、気温はそれほど下がってもいなかった。

 

そろそろ足が熱を持ち始めていた。体力的なきつさは感じていなかったが、足に痛みを感じることが多くなってきていた。

 

ここから次のエイドステーションである肘内公民館(43.5km)まではかなり無理して頑張った。
ふくらはぎに刺すような痛みがあったが、止まっても和らぐような気配はなかったので、公民館に着いたらしっかり休んでストレッチしようと思って我慢した。

 

途中で自宅の庭先で観戦しているご夫婦から、声援とともに通過順位を告げられた。
最後尾付近からのスタートだった割に、そこそこの人数を抜いていたことがわかった。
これも無理に拍車をかけてしまった。


折り返し目前となるセブンイレブン(48.5km)では足の痛みが一時的に引いていたこともあり、おにぎりを2つ食べただけで休憩もほどほどに出発したのだが、この次のセブンイレブン(54km)までの区間が強烈にきつかった。

 

ある意味でこの区間で終わっていたのかもしれない。
右の膝が動かない。力を入れても曲げることができなくなってしまった。


それまではふくらはぎ、太もも裏、太ももの付け根、膝などに痛みや熱を感じると、なんば歩きをやってごまかしていた。
腰を振って足を動かすという歩き方で、簡単に言うと手と足が同時に前に出るような歩き方である。
これを途中に挟むことで足の筋肉への負担を軽くすることができたので、熱が引いたり痛みが和らいだりしていた。

 

余談だが、このなんば歩きは日本科学未来館の「忍者ってナンジャ!?」展で覚えた。というか展示を見ていたら説明員の方に無理やり練習させられたので覚えてしまった。
http://www.miraikan.jst.go.jp/spexhibition/ninjya/index_2.html


がしかし、もはやこのなんば歩きさえも機能しなくなってしまった。
なんとか動いている左足を前に出し、それを軸として体をひねりながら膝の曲がらない右足を前に持ってくる、といった具合で進んでいく姿は、まるでコンパスが歩いているかのようであった。

 

ようやくセブンイレブン(54km)に到着してしっかり休憩するも、一向に回復の気配がない。

 

このまま休んでいても時間だけが過ぎていってしまう。
次のチェックポイントである旧玉生中学校(=スタート&ゴール会場)には午前5時というタイムリミットが設けられている。

 

前半に飛ばした分の貯金が残ってはいるが、とにかく旧玉生中学校までは行きたいと思って、大幅にスローダウンしたペースで坂道を登った。

 

途中の休憩ポイントで、スタートしてからしばらく同じペースで歩いていたグループに追いつかれた。
前半調子に乗って飛ばしまくっていた人間についに追いついたぞという歓喜の表情がグサリと突き刺さる。

 

でもそれ以上に足が痛い。
もはや右膝は曲がらないだけでなく、着地の衝撃から耐え難いほどの痛みを受けるようになっていた。

 

それでもなんとか午前2時半には旧玉生中学校(64.5km)に到着することができた。
足の痛みが気になって芋煮のありがたみが薄れてしまった。七味を多めに入れたところで足の痛みから気をそらすことはできなかった。

 

ここはたっぷり時間を使って回復を待たないと、完歩の可能性が消滅してしまうと思い、足の回復のために50分近く休息をとった。

 

二度ほどマイクロバスが会場内に入ってきた。
運ばれてくる人たちは自分と同じように足を引きずっている。
限界を超えてしまったためにリタイアを選択せざるを得なかった人たちであった。

 

頭の中をぐるぐるとリタイアの文字が巡る。
時刻は午前3時が近づいていたが、全く眠気はなかった。

 

残念ながら足の痛みはそれほど回復しなかったが、あとは行けるところまで行こう、小刻みに休憩しようという方針に切り替えて、次なる目標の地である道の駅(78.7km)へ旅立った。

 

進み出したはいいが、ペースが落ちているので体が温まらない。
体温の低下だけでなく気持ちまで沈んでしまわないようにとダウンを着込んだ。

 

そこに追い打ちをかけてくるように雨が降る。
ここまで二度ほど小雨が降ったが、粒も小さく短時間で止んでくれたので気にせず放っていた。
しかし、この時ばかりは長引きそうだったのでカッパを着た。

 

フードをかぶって音が遮断されると孤独感が増してくる。
スタスタと抜いていく若いグループが過剰に楽しそうに見えた。

 

痛みに耐えられなくなる間隔が40分、30分、20分と次第に短くなっていく。
その度に立ち止まり、あてのない回復をしばし待つ。

 

次々に抜かれていきながら進んでは止まり、止まっては進みを繰り返していると空が白んできた。
ヘッドライトを外したところで何も楽にはならないが、他にできることもないのでポケットへ入れた。

 

時刻は午前5時を過ぎ、道の駅の制限時刻午前8時まで3時間を切った。
残りは7km程度であったが、すでに時速3kmで進むのがやっとのペースであり、道の駅に着くことはできても最後のゴールへ午後1時にたどり着くことは数字の上からも不可能に近かった。

 

そして右膝の痛みは増すばかりだった。50mおきに立ち止まり、縁石の上に座り込むという状態が繰り返し続いた。73km付近のトイレ休憩ポイントまでたどり着いた時点で、道の駅まで2時間かけて歩き続けるという目の前の壁を乗り越えるだけの精神力が尽きてしまっていた。リタイアしよう。

 

道の駅は78.7km地点だが、そこまでのコースは一度通り過ぎてから戻ってくるようなルートが設定されていた。
リタイアを決断した73km地点からショートカットすれば2kmほどで道の駅に行くことができる。そこであのバスに乗ろうと思った。
コースマップに載っている大会本部へ電話すれば巡回している係の方が迎えに来てくれるだろうとは想像できたが、自力でチェックポイントまでたどり着くことがここまで頑張ってきた自分に対するせめてもの報いであり、足掻きであった。

 

早朝だというのに通りすがりの塩谷町の人たちが足を引きずる自分に声援を送ってくれる。
コースを外れ、ショートカットの道に入ろうとした時も親切に正規のルートを教えてくれた。
「ここからショートカットして道の駅でリタイアするんです」と自分の口からリタイアという言葉を発して、改めて100km完歩への挑戦が終わったことを悟った。

 

わずか2kmのリタイアへの道のりも1時間近くかかったような気がする。時計を見る余裕もなかった。
途中で抜いていった人たちもペース的には完歩できるかどうかギリギリの時間であるにもかかわらず前に向かっていた。本当はこの人たちと同じようにたとえ100kmにたどり着かないとしても24時間歩き続けたかった。
最後尾付近とはいえ、みんなすでに17時間近くを歩き続けている。ペースよりもその時間歩き続けることの大変さを身をもって感じた。


道の駅に着くと、大会運営の方々が温かく迎え入れてくれた。
スープ焼きそばとシフォンケーキを食べて休んでいると少しずつ眠気が出てきた。

 

8時のタイムリミットギリギリに、コース上にいる最後尾の参加者が入ってきた。なぜか自分の事のように嬉しかった。

 

バスに乗ると雨が激しく降ってきた。残り5時間、20kmの距離を歩き続ける人たちの無事と完歩を祈らざるを得ない心境だった。

 

ゴール地点の旧玉生中学校について、お餅をもらってカレーを食べるように促してもらったが、その気力もなかったのでお餅だけもらって会場を後にした。
雨の中、足を引きずりながら駐車場へ向かう道のりは達成感や安堵の気持ちはなく、「完歩したかったな」という言葉が頭の中を巡り、少し悔しい気持ちだった。


所要時間18時間、歩行距離73kmで無念のリタイア。
自分にとっては大いなる挑戦だったが、失敗に終わった。
しかし、あれだけ辛い思いをしたにもかかわらず、足の痛みが消え、歩けるようになってくるとまた挑戦したいという気持ちがもくもくと湧いてきているから不思議だ。

 

次はせめて24時間歩き切りたい。いや、100km完歩したい。

 

開会式で5年前に構想したという話があったが、大会自体の運営は100キロウォーク初開催とは思えないほどの手際の良さであり、ありがたかった。相当他の大会等を勉強されたのだと思う。
そして塩谷町の人たちの協力も素晴らしかった。深夜に知らない人間が民家の周りをライトをつけてウロウロするだけでも気持ちが悪いだろうに、そんな人間を沿道に立って応援してくれた。

 

思い出に浸ってじーんとしているが、改めて反省点を書いてみる。
最大の反省点は何といってもペース配分のミスだ。
前哨戦20キロウォークで時速6kmが自分のペースだと設定した。確かにこれ自体もアップダウンの多いところではオーバーペースだったが、それ以上に休憩を取らずに前半に脚力を過剰に使ったことの代償は大きかった。
せっかく1時間おきに最大10分休憩というペースを想定していたのに、それを守らなかった。アホである。

 

振り返ってみてもスタミナ面できつかったのはアップダウンが続いているところくらいで、細かく食料や飲み物を補給できるので疲れてつらいという場面は思い出せない。
とにかく足への負担をどこまで減らせるか。その課題に対してどういうペース配分をするかが重要だったと思う。

 

一方でよかった面はというと、
・寒さ対策の服装(そもそも気温が思ったより高かった)
・足裏の痛み対策のインソール交換
あたり。

 

膝、ふくらはぎ、太ももは長時間の歩行でかなりダメージを負ってしまったが、それに比べるとくるぶしより先の部分についてはあまり苦しむほどの痛みに見舞われなかった。
これはインソールを途中で交換して衝撃を受ける箇所を分散するという作戦が功を奏したのではないかと思う。

 

問題視していた退屈については全く心配無用だった。退屈している暇などないくらい痛みの波が押し寄せていたから。
持っていったiPodも結局使わなかった。

 

やれやれ随分と大作になってしまったが、それほどまでに非日常にどっぷりと使って闘った1日だった。楽しかった!


夏の40.8kmはどうするかな〜
距離的には今回到達済みだから、普通に登山とかしようかな。