しおや100キロウォーク〜地獄の100kmへの道 その3〜
(その2からのつづき。前哨戦20キロウォーク後編)
歩き始めてすぐに気がついたのは靴が少し大きいかなということ。
普段はゆったりしていて履きやすいと思っていたが、これから長距離を歩くと想定して靴の中の自分の足に注意を向けてみると、なんだか隙間だらけでゆるい。
踏み込んだ時に靴の中で足の裏が滑ってしまうというほどではないが、指の付け根の上あたり(靴紐よりも先端に近いあたり)に空間があって、靴と足が一体化できていない感じがする。
幅や長さは問題なさそうだが、このつま先付近の上下の隙間が一歩一歩歩く際に過剰な踏ん張りを生み出しているように思えた。徐々に筋肉の疲労なのか踏み込む衝撃への疲労なのかは判別できないが、そんなものが足裏に溜まっていく感覚があった。
これは厚めのインソールや靴下で隙間を埋めて、つま先が靴の中で固定されるようにした方が良さそうだ。
歩いているうちに街なかを出て田んぼ道に入った。
気温は低めだが、よく晴れていて日も差しているので街なかでは暖かかったが、周りに遮るものがない田んぼ道は風が強くて寒い。
一応ウィンドブレーカー的なものを着ていたが、それでも足りなかったので上からダウンジャケットを羽織った。大会当日は3週間後とはいえ気温の低さは警戒した方が良さそうだ。特に日が落ちてからは冬だと思って臨もう。
寒さ対策としてダウンジャケットは持って行くことにする。下は暖パンではなく、軽めのウィンドブレーカー的なやつがあれば十分かな。
歩くペースの方は自分にとって無理のない速さで進んでいたら、ちょうど予想通りの時速6kmだった。この情報が把握できたのは大きい。
1時間歩いて10分休憩するペースで行くと、7時間で36km進む計算になる。大きな休憩を考慮せずに計算すると、20時間くらいでゴールできることになる。
そういう見立てができてくると、残り4時間が自分の持っている貯金だと考えることができる。
体力消耗によるペースダウン、食事、足の痛み、眠気、モチベーションの低下などをこの4時間でカバーすれば完歩できる!
なんだか少しだけ大会当日への見通しが良くなってきた。
そんなことを考えることにも飽きた頃、次なる問題が見つかった。”退屈”である。
田んぼ道の景色にも慣れてくると、”退屈”でたまらない。しかも建物もほとんどないので、いいペースで歩いているのにぐんぐん進んでいるという感じが全くしない。
そうして”退屈”を感じているうちに、徐々にメンタルがやられてくる。弱音が次々に沸き起こってきて、休憩したくてたまらない。
このモチベーションの低下に強風が追い打ちをかけてくるようで、寒さが上乗せされてくるとなおのこときつかった。
1時間おきの休憩を想定していたが、”退屈”に襲われたら1時間も歩き続けられないかもしれない。しかも先ほどの見積もりのとおり、休憩はあるにせよ20時間歩き続けるのだから、”退屈”にノックアウトされる可能性も十分にある。
現時点でこれといった対策が見つかっていない。残り3週間程度でなんとかしなければ。。。
途中で3度の休憩を入れながら、3時間40分でゴール地点へ到着した。
思っていたほどの疲労感はなく、足の痛みも少し休憩してやるとおさまる程度だった。
意外といけるんじゃね?的な浅はかな思いは翌朝の筋肉痛で全て消え去るわけだが、当日のことだけを考えればおそらく40kmまでは行けそうという感触だ。
その先は今回の20kmウォークでは測れない未知の領域である。
もっとこのくらいの長距離の練習をしたいが、如何せん当日まで時間がなく、当日までのコンディション調整を考えれば、ど素人はこれ以上の予行演習は避けた方が良いだろう。
今回の20kmウォークで得た知見は、
・インソールで足先の隙間を埋める対策をする
・寒さ対策は絶対必要!
・自分の無理せず歩けるペースは時速6km
・退屈対策を練るべし!
・20kmはクリアした、40kmくらいまでなら行けそう
であった。
インソールも早く試してみないと、結局イマイチだから直前に靴を買おうなんてことになりそうだな。